四年制薬学部について
四年制薬学部は研究に主眼を置いた薬学部となります。
基本的には、四年生で薬学部を卒業し、大学院に進学することになります。
六年制薬学部と異なり、薬剤師を目指したカリキュラムではありません。
通常、大学と大学院の修士課程を通じて6年間学生生活を送ることになりますが、薬剤師免許を取ることができないため不人気な傾向にもあります。
そんな四年制薬学部ですが、メリットも十分にあると考えています。
①自由
四年制は研究中心であるため、カリキュラムの縛りが緩く、自由な時間を持つことができます。
研究室に行って実験をしても良いですし、図書館に籠っていても、家に帰っても、誰にも何も言われません。
大学によっては入学後に六年制と四年制を振り分ける大学もあるので、そういった大学では、振り分け後に初めてこういった自由を得られることができます。
研究をする場合、実験を失敗しても、失敗の原因を探ったり、別の可能性を探求することができたりするので、時間的な余裕でストレスを感じることなく研究生活を乗り越えることができます。
自分自身を鍛えるために、あえてブラック研究室を選ぶ人もいます。
そういった選択の自由も四年制薬学部にはあります。
②進路
研究職を目指すことを謳っている四年制薬学部です。
研究職を目指すために学生生活を送り、かつ、薬にも詳しいということで、希少性があります。
四年制薬学部をどう捉えるかは相手次第な面もありますが、自分の中で必要以上にネガティブに捉える必要はないように思います。
私の身の回りでは、製薬企業の研究職または開発職、CRO、博士課程に進学する人等様々です。
何年かの勉強が追加で必要になりますが、科目等履修生、博士課程進学、他大学の六年制薬学部に編入することで薬剤師を目指す人もいます。
③プレッシャー
四年制薬学部生は研究ができ、かつ、研究対象について深い知識が身についていて当然とみられます。
六年制薬学部生が混在している研究室に所属していると、六年制薬学部生が病院研修に行っているため、同期からも研究について相談されて、プレッシャーを感じてしまうかもしれません。
場合によっては、同期にアドバイスを送るような状況にもなります。
六年制薬学部生が研修を頑張っている間に、自分は研究を進め、研究内容について理解を深めてフォローができるようにとプレッシャーを良い方向に働かせることができると良いと思います。
また、六年制薬学部生は薬剤師になるために広範な知識を蓄えているため、研究に関することでもわからないことをネガティブに気にしすぎる必要はないと思います。
プレッシャーという意味では、就活じにもプレッシャーを感じてしまうことになります。
薬剤師免許をとれないので後がないため、製薬企業を目指す人たちは内定が取れない不安におびえながら就活に取り組むことになります。
特に、製薬企業を目指す人は薬学部出身者ばかりではありません。
自分にはどんなアピールポイントがあるのか、意識しながら学生生活を送ることで、就職間際になっても余裕をもって取り組むことができるようになるかもしれません。
生かすも殺すも自分次第
この記事では四年制薬学部の3つのメリットを書きました。
①自由
②希少性
③プレッシャー
四年制薬学部は歴史が浅く、同様の学部もないため、不安になることがあると思います。
せっかく薬学部に入ったのに薬剤師になれないことを意識してしまうかもしれません。
しかし、上に挙げたように、ポジティブな要素もあります。
薬に関する研究をしたいと思っている人にはもちろんのこと、漠然と何か突き抜けたい人や何にも捉われたくない人に向いている進路先だと思います。
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