論文紹介について
研究室に所属するとこれまでの学生生活が大きく変わります。
研究室生活の中で、意外と負荷がかかるものの一つに論文紹介発表があります。
最新の研究成果を学び、メンバーに共有するというのが私の所属した研究室の目的でした。
紹介する論文は、「自分が面白いと思う発表されて1年程度以内の論文」というかなり広い基準が設けられていました。
慣れてくると基準の広さに助かるようになりますが、初めて論文紹介の論文を探すときには何から手を付けてよいのかわかりませんでした。
そこで、初めて論文発表する時に失敗しないための論文の探し方をまとめてました。
①日本語の雑誌から探す
まずは、日本語で書かれた雑誌から探すことをお勧めします。
見つけ方は大きく分けて2つあります。
1つ目は、短く海外論文がまとめられた特集を調べてみることです。
こういった特集では、海外で話題の論文が数か月遅れで紹介されており、信頼度の高い雑誌に掲載されている論文が多いです。
2つ目は、雑誌で組まれている特集の参考文献から拾い上げる方法です。
例えば、脳の特集があったときに、「~であることが報告されている。」という記載があった後に、引用された論文が紹介されているため、それを拾い上げるという方法です。
どちらの方法も、日本語で一度に複数の論文を見つけることができ、既に簡単な背景が理解できているため、実際の論文を読むときの読みやすさが違います。
また、影響力の大きいとされる論文はネット上で、誰かが簡単に説明してくれている場合もあるため、ネットで検索することをお勧めします。
②自分の研究テーマの参考文献の著者に注目する
自分たちだけが研究している分野でない限り、研究テーマに関連した参考文献を持っていると思います。
背景、実験手法や試薬の調整方法等根拠となる参考文献がちりばめられています。
参考文献自体は古い論文だと思いますが、参考文献の著者の最新の報告を調べてみましょう。
基本的には、自分の研究テーマと大きく外れた研究はしないものなので、既に参考文献の中身を把握しているならば、初めて読む論文よりかすんなりと理解できると思います。
参考文献の著者が日本人であるならば、研究の概要をインターネット上に公開していることも多く、理解に役立つと思います。
著者が大御所である場合には、雑誌の特集を書いている場合もあるので、確認してみることも良いかもしれないです。
③誰かのテーマに直結する論文は候補から外す
初めて論文紹介するくらいの研究室歴の浅い人は、研究室に所属するメンバーのテーマに直結する論文は候補から外したほうが安全です。
研究をしているとテーマに直結する論文については、扱っている試薬や動物、細胞の種類、実験条件等、細かい点まで着目します。
また、関連するテーマであるので、既に目を通している可能性が高いです。
既に紹介論文を読み込んでいるメンバーがいる場での質疑応答は、論文そのものの読み込みと関連分野の知識が必要とされることもあるため、場合によっては困ることになります。
研究室に長く所属していると、他のメンバーがどのようなことをやっているか理解できているのでハードルが下がります。
おそらくこういった質問がされるだろうなと考えながら、論文を読み進めることになるので、勉強にもなります。
ですが、初めて研究室で論文紹介をする人にとっては、こういった論文をわざわざ選択する必要はないと思います。
最後に
初めて研究室で論文紹介をするときの論文の探し方についてまとめました。
研究室生活に慣れてくると、自分の研究をサポートするために日常的に論文を読み込むことになります。
しかし、初めのうちは自分の研究テーマを理解することさえままならないのに、論文消化の順番が回ってきて苦労するかもしれません。
今回まとめた方法は、王道ではないかもしれませんが、論文紹介の負荷を減らすことにつなげられると思いますので、是非試してください。
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